当社の青山信幸が、長尺シャフトのメーカーとして希少なオンリーワンの企業の代表取締役であると同時に、旋盤加工においては、外径が160〜310mm、長さが 6mの素材を一度の加工で外径公差を1/100mm、表面粗さ0.4〜0.8Sの公差内精度に仕上げる卓越した技能を有している。従来は三段階の工程にお いて処理される長尺シャフトの加工を、一度の加工で高精度に仕上げるこの技能は、長年にわたる試行錯誤の結果、経験と独自のアイデアが付加されて培われた ものであり、この特殊な技能によって短納期やコストダウンにも大きく貢献している。
人材育成にあたっては、加工技術の習得は指先などの感覚で本人が体得するしかないことから、主にOJTにより取り組んでおり、失敗を恐れずチャレンジ精
神を持つよう厳しく根気よく指導して体で覚えさせるとともに、異業種交流会やメーカーが主催する講習会などにも積極的に参加させている。
1. |
認定基準 |
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(1) |
大阪市内の中小製造業の事業所に勤務していること(経営者含む)。
(中小製造業:資本金3億円以下、または、従業員300人以下) |
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(2) |
その技能が極めて卓越した水準にあると認められること。
(公的資格の取得状況(技能検定の1級・単一等級レベルが望ましい)や、全国規模のコンテストでの成績等の実績から総合的に判断する) |
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(3) |
後継者の指導・育成能力と熱意を持ち、大阪テクノマスターとして、認定後おおむね5年間は活動可能なこと。 |
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(4) |
本人の技能や活動が、大阪市の次代のものづくりに寄与するところが大であると認められること。
(既存製品の高付加価値化、新製品・新技術の開発や生産性の向上などに積極的に取り組み、顕著な実績を有すること。) |
2. |
審査・認定の手順 |
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書類選考や現地調査を行ったあと、学識経験者や専門家などで構成される選定委員会による審査を経て市長が認定する。 |
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3. |
認定後の処遇 |
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認定された大阪テクノマスターには、認定証と記念品が贈呈されます。また、下記のような諸活動を行っていただくときに謝金を支払う。 |
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(1) |
技能の継承や後継者育成につながる研修・講習会などの講師を務めていただくとき。 |
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(2) |
「大阪市学校支援人材バンク」に登録いただき、小・中学校の児童・生徒などを対象に「ものづくりの楽しさ、大切さ」を伝えるために講師を務めていただくとき。 |
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(3) |
その他、技能継承や人材育成、またはものづくり産業発展に寄与する活動への参加・協力を行うとき。 |
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※ 大阪テクノマスター名簿を作成し、その優れた技能や創造的な工夫、ものづくりや技能継承に対する情熱などを業界団体や企業に紹介するとともに、「ものづくり支援ウェブサイト」も活用して広く一般に情報発信を行います。 |
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○ |
「ものづくり基盤技術」の定義
(法第2条第1項・同政令) |
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工業製品の設計、製造又は修理に係る技術のうち汎用性を有し、製造業の発展を支えるものとして政令で定めるもの。 |
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1 |
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設計に係る技術 |
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2 |
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圧縮成形、押出成形、空気の噴射による加工、射出成形、鍛造、鋳造及びプレス加工に係る技術 |
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3 |
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圧延、伸線及び引抜きに係る技術 |
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4 |
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研磨、裁断、切削及び表面処理に係る技術 |
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5 |
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製毛及び紡績に係る技術 |
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6 |
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製織、剪毛及び編成に係る技術 |
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7 |
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縫製に係る技術 |
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8 |
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染色に係る技術 |
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9 |
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粉砕に係る技術 |
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抄紙に係る技術 |
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製版に係る技術 |
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分離に係る技術 |
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13 |
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洗浄に係る技術 |
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熱処理に係る技術 |
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溶接に係る技術 |
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溶融に係る技術 |
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17 |
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塗装及びめっきに係る技術 |
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精製に係る技術 |
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19 |
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加水分解及び電気分解に係る技術 |
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20 |
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発酵に係る技術 |
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21 |
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重合に係る技術 |
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真空の維持に係る技術 |
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巻取りに係る技術 |
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製造過程の管理に係る技術 |
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機械器具の修理及び調整に係る技術 |
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26 |
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非破壊検査及び物性の測定に係る技術 |
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「大阪テクノマスター選定審査委員会」委員等名簿 |
(委員以下50音順) |
委員長 |
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阪南大学学長 |
大槻 眞一 |
委員 |
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大阪市立大学大学院教授 |
東 恒雄 |
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大阪市立工業研究所加工技術課長 |
喜多 泰夫 |
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クリエイション・コア東大阪ゼネラルマネージャー |
湖中 齊 |
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技術士 |
新庄 秀光 |
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技術士 |
藤井 隆之 |
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資料協力
大阪市経済局 産業振興部 都市産業課
TEL:06-6208-8931 |
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大阪テクノマスター制度は、ものづくり産業を支えている優れた技能の継承・発展を図ることを目的としており、卓越した技能を持ち、新しい分野への挑戦や技能の高度化に努めるなど、次世代のものづくりに寄与する取り組みを行っている優れた技能者を「大阪テクノマスター」として認定・顕彰するもので、平成16 年度においては、平成16年7月1日から8月12日の間に募集を行い、その後、書類選考・現地調査並びに選定審査を経て、認定者8名を決定いたしました。 今回、認定する8名の方々には、今後、その優れた技能と経験を活かし、ものづくりの後継者育成や技能の継承に結びつく研修会や講習会等の講師を努めていただくほか、小・中学校や高校の児童・生徒を対象に、ものづくりの楽しさ、大切さを伝える活動を行っていただき、将来のものづくり産業に従事する人材の裾 野拡大を図るとともに、各種媒体により情報発信を行い、大阪のものづくり産業の力強さと優位性を広く内外にアピールします。